灰色ハイジのテキスト

サンフランシスコで働くデザイナーの日記とか考え事とか

現実世界の自分の方がアバターのようだ

よくいろんな人と会って話すと、
「ひきこもりには見えないですねー」とか「すごい、ちゃんと喋れてるじゃないですか」といった感じのことを言われる。

ひきこもりであって、現在は立派に社会復帰させてもらっております。。

あまりにもいろんな人に驚かれたり、どうやって克服しましたか?と聞かれるので、自分でもどうしてなんだろうなーと考えてみた。

田舎コンプレックス

有難いことにオシャレですね、と言ってもらえることもあるのだけれど、ひきこもっていた中学時代は服を買いに行く服がない状態に近かった。
ずっとパジャマとかだったしw

不登校になったそもそものきっかけの一つに、田舎コンプレックスがある。
新潟県の村生まれ村育ち。村のひとつの小学校から中学校にエスカレーター式にあがっていく、そんな環境だった。そんな中で、少しでも都会にいきたくて新潟市内にある私立の女子中学を受験し、入学した。
そこで待ち受けていたのは、大きなカルチャーギャップだった。バスに乗ったこともなければ、友達と服を買いにいくことだってはじめてだったのだ。
新潟にある、ラフォーレ原宿新潟というファッションビルに同級生と遊びに行った時に、あのブランドが、とかという会話を繰り広げる。ブランドなんて一つも知らない私にとってカルチャーショックを受けた瞬間だった。

なんて自分は田舎者なんだろう!恥ずかしい!それがずっと私にあったコンプレックスで、ひきこもる原因の一つだった。

現実世界の自分の方がアバター

そんな私を救ったのがネットだった。中学を休みはじめた頃に家にやってきたのだ。
ほぼ毎日チャットをし、日記を書いた。最低限親と会話する以外は部屋にひきこもってずっとテキストだけの会話をしてきたのだった。
私にとってのリアルはネットの世界だった。

よくネットでは好きな自分になれるって言うけれど、私にとっては現実世界の方がアバターのようだ、と思う。
なりたい自分や憧れのビジュアルをアバターにするように、現実の自分をキャラメイクする。
アイコンを差し替えるように髪型を変え、着替えていく。


現実と人が呼んでいる世界の方が虚構のようだ、と思う。

今も私は中学生で、ひきこもりながら部屋で寝て夢を見ているのかもしれない。